add-TIES TIMES

生活の話、思考の話、お金の話など

倍音と雪と虹と @名無し

どうも、名無しです。

 

突然ですが、倍音ってご存じでしょうか?

 

音は周波数でできている。Hz(ヘルツ)とかいうあれだ。そしてその周波数の1倍を基音と言い、基音n倍のものをすべて倍音という。要するにxHzを基音としたときの、nxHzが倍音というわけだ。すなわち、2xHz、3xHz、4xHz……これらすべてが倍音ということになる。

 

 

 

 

かつ、日々我々を取り巻く様々な「音」には、すべてこの倍音が含まれている。そしてこの倍音の入り方が、モノによって違うため、音色の違いが生まれるのだ。同じ「ド」の音でも、ギターやピアノ、フルートなど、楽器によってその響きは全く異なる。更に言えば、同じピアノでも弾き方によって音色は変化するだろう。それはこの倍音の働きによるものなのである。

 

 

???

 

 

使用例:

バントマンA「いいね~、倍音効いてるね~」

バンドマンB「それな~、いいわ~、倍音効いてるわ~」

 

 

?????

 

 

皆さんわかりましたか? 僕は長い間バンドをやっていますが、きちんと理解できているのか未だに不安になります。いや、理屈はわかったよ、と。そういうもんなのね、というのは理解できる。でも、「ああ~! はいはい! あれのことね!」とはならない。というか倍音なんて、普通に生きていたら認識できないレベルの事象だと思う。

 

前にこのブログでも「名付ける」という行為について触れたことがある。

 

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なんとなく認識はしているが、未だ掴み切れない曖昧模糊とした物事が「名付けられる」ことで存在を確立するという話。今回はその逆のパターンだ。まったくもって認識していなかった物事なのに、急に名前だけがポッと現れる。それで半ば強制的に、曖昧模糊とした物事が私の前に投げ出される。

 

ちょっとした例を挙げてみよう。

 

あなたは雪の種類をいくつご存じだろうか? 有名な話だが、北国ほど、多くの雪の呼称を持っていると言われている。よく知られているのは、粉雪、牡丹雪、吹雪あたりだろう。では、根雪は? 風花は? 垂り雪は? これらはちゃんと個別の意味をもつ雪の呼称だ。中には、雲雀殺(ひばりころし)なんてものもある。もはや暗殺者の異名のようだ。

 

そしてこれも有名な話かもしれないが、虹の色の数は国によって違うそうだ。日本では7色(赤、橙、黄、緑、水色、青、紫)が一般的だが、中には2色と答える地域もある。彼らに7色を教えたらどんな反応を返すのだろうか? 「ああ~! これってそういう名前があるんだ!」と納得するのか、「何を言っているんだこいつは」なんて突然現れた未知の概念に戸惑ったりするのだろうか。※そもそも単に虹は2色という決まり事のようなもので、個別の色自体はちゃんと概念が存在するのかもしれないが。我々が信号機の「進んでも良い」を「あお」と呼ぶけれど、実はあれが「緑色」であることがちゃんとわかっているみたいに。

 

いずれにしろ、「名付ける」というのはやはり興味深い行為だ。私が「超合金聖獣ポンポコっちょ男爵3世」と言えば、そこに「超合金聖獣ポンポコっちょ男爵3世」が現れてしまう。それがどんな存在なのかは、あなた次第。あなたの中に「超合金聖獣ポンポコっちょ男爵3世」と呼称するにふさわしい物事があれば、あなたはそれに「超合金聖獣ポンポコっちょ男爵3世」を当てはめるだろうし、あなたが「超合金聖獣ポンポコっちょ男爵3世」たり得る物事を持ち合わせていない場合には、「超合金聖獣ポンポコっちょ男爵3世」ってなんだよ! という思考の迷宮に幽閉されてしまう。

 

だいぶ「超合金聖獣ポンポコっちょ男爵3世」って言いたいだけみたいになってしまいましたが、結局何が言いたいのかというと。

 

少々乱暴だが、名前がある=存在があるということだとして、そこに適切な概念を紐づけられない現象っていうのは、意外と多い。倍音もそう。人によっては、雪の種類や、虹の色についてもそうだろう。その概念を理解するまで、その名前=存在は空っぽの容器のようなものであり、だからこそ無限の意味を受け入れうる。良くも悪くも。そしてこれは、人間という存在にとても近い気がする。

 

ただし、あくまで近いだけ。倍音にも雪にも虹にも不特定多数に共有されている「答え」が用意されている。正しく理解している人の手引きがあれば、いずれその概念を理解することはできるだろう。一方、人間には「答え」など用意されていない。「答え」は我々自身が創り上げるものだ、などということも簡単には言えない。事態はもっと複雑で、難解なのものだと私はきいています。

 

倍音も雪も虹も、仲間のふりしていずれ裏切るから気をつけてください。

結局、我々の同胞は「超合金聖獣ポンポコっちょ男爵3世」だけなのです。

とほほ…

 

そんな話でした。

 

 

名無し